旅の途中、道の駅で「俺のモシリ」と言うアイヌの人々の物語を綴った短編集を買った。「モシリ」とは、アイヌ語で「住む所」と言う意味。「アイヌモシリ」なら「人の住む所」。「カムイモシリ」なら「神の住む所」。となる。アイヌモシリに入植した倭人たちが、カムイモシリを切り開いてゆく。新しく出来た町に大人達は、仕事を求め子供たちは、学校に通う。しかし、そこでの差別や葛藤・遣る瀬無さが、柔らかい文章で綴られている。太古の精神性を現代まで受け継いできた人々を私は、尊敬する。自分の中にも残っているであろう縄文人のＤＮＡが、引き寄せられるのだろうか。この本が、この旅一番のお土産の様な気がする。

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。