こころ野便り~旅 その2

河童の伝説以来そう変わっていなかったであろう原野の景色は、持続可能な開発の為の電源供給基地になりつつある。巨大な風車が数キロにわたり立ち並び今なお建設中だった。甲高い河童の草笛の音は、巨大な風車の風切音にかき消されてしまったかもう一度そこにテントを張ってみたい衝動に駆られた。宗谷岬からは、樺太がはっきり見えた。35年前ソ連は、仮想敵国だった。自衛官だった私は、ソビエトの軍事侵攻を想定した演習に何度か参加した事を思い出す。そして威嚇を受ける当事者かの様に「こんなに近いのか」と改めて思った。大河の河口には、運ばれて来た大量の土砂が、波に押し戻され砂州や砂丘が流木などを挟みながら層をなして成長してゆく。近い過去のある時期から大量のプラスチックごみが地層に挟み込まれる。この層は、人類の繁栄と衰退を反映する記録として未来の人が目にするかもしれない。ここからは、想像だがごみを挟んだ地層は突然終わりその先は、流木と砂だけの層になったとしよう。最後のごみの層には、いったい何が記録されるのだろう。

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら


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