はいせつよもやま話~車椅子での外出-玄関にスロープを付けるには

最近は玄関にスロープのある家を見かけることが多くなりました。でも、スロープを付けることがベストなのは、比較的広い敷地のお家だけの様に思います。段差解消を目的としたスロープは設置する際に勾配を考慮する必要があり、自走式の車椅子が安心して動ける為には「12分の1勾配」が良いと言われています。10センチの高さに対して底辺が12倍、この斜辺でできる直角三角形の角度が12分の1勾配で、スロープが斜辺の長さです。ですから高さが40センチなら、必要な長さは4メートル80センチと非常に長く、住宅ではなかなかそこまでの長さがとれないので、8分の1勾配だったり、介助する人が適切に操作するなら6分の1勾配でも良いとされます。車椅子を押す介助者が虚弱だと下りは危険ですし、上りもしんどいので、スロープは緩やかな方が乗る人も介助する人も安心です。そうすると施設で時々見かける様なU字型やS字型に曲がった状態で設置しないと、必要な距離がとれません。限られたスペースだと、どうしても急勾配になりがちです。
スロープを付ける為に住宅改修しようとすると、工事費用もかかります。スロープには工事が必要なスロープだけでなく、よく電車を乗り降りする際に駅員さんが持って来る様な折り畳み式で、必要な時に広げて使うスロープもあって、折り畳んで持ち運べるスロープは介護保険の貸与になります。スロープを付けようと思ったら、貸与の対象になる折り畳み式で済むのか済まないのかをまず考える必要があります。貸与のスロープを借りる場合、6分の1勾配にしても高さ20センチなら1メートル20センチが必要で、実際にはなかなか難しいのが現状です。曲がった折り畳み式スロープもあるのですが、複雑で操作するのが大変です。玄関にスロープを付けるかどうか、どんなスロープが適切か、よく考えてみる方が良いと思います。
スロープではない方法で段差を解消する「段差解消機」があります。次回はこのことをお伝えします。

「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄や介護に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。


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