こころ野便り~農業について思う。チャレンジ編 その10

発酵肥料は、生き物だ。未熟な肥料を施せばそれを餌にする生き物が集まってくる。そこにある野菜をついでに食べてしまうものや動き回って細い根を傷めてしまうこともあり、野菜が初期生育の段階では、致命的な障害になることも多い。発酵中に発生するガスが、野菜をいためてしまうこともある。株下で直接触れた部分が腐ってしまうこともある。しかし、色々経験し上手く使えるようになってからは、野菜の病気や虫害は、格段に減った。畑の土の中の生き物達に喰いつ食われつの連鎖が概ね出来上がった様だ。「概ね、大体」と言う曖昧さがを受け入れることも持続していくには大切なことのように思う。それにしても有機農業をしていると目に見えない小さな生き物から大きな動物まで様々な生き物が隙間を埋める様に自然の中に生存していることに気付かされる。農薬の安易な使用は、生き物たちの関係性に大きな穴を開けてしまう。その穴を埋めるためにいち早く動き出すのが所謂病害虫だ。彼らは、食物連鎖の底辺で有機物の分解を担っているから。

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら


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