車椅子で外出する際に後ろにあるポケットに財布などを入れていると、いざと言う時に取りにくいですよね。座面の下にポケットがある車椅子を売っていたメーカーも以前ありましたが、貴重品は自分の前の方に持っておきましょう。ポシェットに財布やスマホを入れて、膝の上に置いておくのも良いと思います。水分補給が必要でしょうから飲み物もすぐ手に取りやすい所に。邪魔にならない場所につけられるなら、ペットボトルホルダーなどを活用されるのも良いと思います。日よけの帽子や気温の変化に応じて脱いだり羽織ったりが簡単に出来るものも、あると重宝します。分厚いものや薄いもの一枚でなく、複数で調整できる服を着ておく方が、暑い時、寒い時で脱いだり着たりできるので、快適に過ごせます。出来ればそれを膝の上に置いておくと、ひざ掛け代わりにもなりますし、必要な時に使いやすいですね。
その人が立てるか立てないかといった体の状態などによって、持ち物やトイレなどのリスクも変わって来ます。車椅子の人用の洋服というのもあります。エプロンの様に前に大きな身頃があって首から被り、後ろ身頃がとても短いブラウスの様なものです。丈の長い洋服を着ていると、車椅子に座った時に背中部分を引き込んでしまってとても窮屈ですし、車椅子も動かしにくくなります。専用の服までは必要なくても、洋服の丈は短めの方が着心地が良いと思います。ちょっとした工夫で、外出時の快適さが変わります。
※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄や介護に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで