刈りこんだ草を発酵肥料と共に土に鋤き込む。草が豊かな土へと変わってくれることを期待し耕す。就農を考え始めた息子が、休みの日に手伝ってくれるようになった。声が変わり始めた頃からとんと畑には来なくなっていたが、お正月の畑の神さん参りには毎年参加していた。子供達には、自然を大切にする人になって欲しいから「空、風、火、水、土、」に因んだ名前を付けた。息子には、大地にしっかり足を付けて生きて欲しいと『陸雄』と名付けた。将来一緒に働けたらいいなと思いつつ。草は、種を蒔かずとも見る間に大地を覆う。持続可能な社会システムが望まれている。此の自然の営みを上手く農業に取り入れられないだろうか。「草一本生えてない畑」百姓の理想とは矛盾するが止揚させたい。忙しさを言い訳にする様だが、夏の雑草は、冬作にはあまり影響しないことも分かった。規模を拡大し生産性を向上させることだけが農業の未来ではないと思う。自分達ならではの農業を模索し次世代に託したい。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。