災害発生時のペットを考える~大切な家族の一員だから

今年もあっという間に12月。ただ、例年と違い新型コロナウィルスのことがあり、まだまだ油断せず身を守って暮らしていかなければなりません。

身を守ると言えば、災害への備え。今年は、密を避けることから、災害時の「避難」も避難所へ避難するだけでなく、「難を避ける」ために親族知人宅への避難や、自宅内での安全な部屋への避難を考えることが提唱されました。皆さんは、ご自宅や居所のハザードマップの確認と災害発生時の行動は確認されていますか?まだの場合は、ぜひ、今年のうちに!

ところで、私は日頃、特に高齢者や障害者の災害時に備えるための研修活動を行っていますが、その中で当事者がペットを飼っている想定をして、支援の方法を検討しています。

動物に興味がない人にとっては、犬も猫も単に動物であるという位置づけかもしれませんが、家族の一員としてペットを迎えている人にとっては、何よりも大切な存在です。そして、最近では多くの人が犬や猫、ウサギや亀、その他いろいろな動物を家族として迎えています。

災害発生時、動物の家族はどうすればいいでしょう?『置いて逃げる』ことを前提にすると、ペットを家族に持つ人の安全な避難を確保するのは難しいと思います。

課題は大きく分けると以下のように分けられると思います。

1.どうやって逃げるのか。(避難行動)

2.どうやって避難先で過ごすのか。(避難生活)

2に関しては、避難所を想定した場合、個人の考えで決められるものではありません。避難所の運営をする自治会等で、いざという時に備えて事前に考えておく必要があるでしょう。そのためにも、それを考える必要があると地域のみなさんが思われることが大切です。

1については、小型の生き物の場合は、移動するためのケージの用意や、リード、ハーネスや首輪の用意は必要でしょう。非常時には、動物も平常心でいるとは限りません。ケージは「非常時だけ」のものではなく、できれば日常的に移動する場面では使うなど、慣れておくと良いでしょう。フードや保温などの準備も忘れずに。

ちなみに、これまでに聞いた話では、ある避難所では中庭をペットスペースにしたり、特定の部屋をペットスペースにしたということです。また、状況によっては獣医さんが動物の保護をおこなったり、かつての災害時には動物園が一時的にペットの保護に協力したという話を聞いたこともあります。あの手この手を考えて、いざという時に備えられるといいですね。

それにしても、犬と猫でも生活スタイルはちがいますし、ウサギや亀がやってきたらどうするか・・・。まずは、大切なペットのためにもフードの備蓄や移動用のケージの用意をはじめとした備えを行なうとともに、ペット仲間の立ち話や動物病院受診時に、どのような備えが必要か話題にしてみてはいかがでしょうか。

 

犬の一生は、人の一生より短く、私が育てた子犬のころから、あっという間に大人になって、いつの間にか私よりも年老いて、そしていなくなりました。いろんなことを一緒に経験し、私はたくさん学びました。車の中に置いている写真です。仕事の疲れを癒してくれ、心を穏やかにしてくれます。楽しかった日々の中で、もし災害に見舞われたら、放って私だけ逃げられただろうか?と考えると・・・。家族みんなで、地域みんなで、誰一人取り残されないような社会になればいいと思います。

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兵庫県在住。「福祉×ICTで、毎日を安心安全に、心豊かに。あなたに寄り添う相談援助」をモットーに『森のすず社会福祉士事務所』開業。成年後見等による高齢者・障害者支援、認知症の方と家族の支援ならびに防災と福祉の地域啓発活動、スクールソーシャルワーカー、各種研修講師などの活動に取り組んでいる。2022年から同志社大学社会学研究科の後期課程博士課程院生。カレーと豆好き。犬大好き。社会福祉士、公認心理師、防災士。介護支援専門員。第1種大型自動車免許、2級FP技能士、第2級アマチュア無線技士。