はいせつよもやま話~リフトを使ってみようという発想を

リフトはベッドサイドに設置すると起き上がったり、車いすに移乗したりがとても楽になりますが、それ以外にも浴室に設置することで自宅のお風呂に入ることが出来るようになったり、上がり框が高い玄関に設置すると玄関の出入りが楽になります。介護保険でレンタルできるので、まずは使ってみることが大切です。但し、リフトのレンタル料は安くはありませんから、あちこちに設置すると費用もそれなりにかかります。まずはやはりベッドサイドから考えると良いでしょう。リフトを導入することで、ベッドから起こす機会が増えますし、排泄も楽になります。電動ベッドで体を起こしても、そこから車いすに座るまでが大変。パジャマを脱いだり着たりするのが一苦労というケースも少なくありません。リフトなら介護する人が起こさなくても良いし、特に今はコロナの影響でなるべく体を密着させない方が良いので、リフトへの注目が高まっています。
とは言え、介護する人もされる人も楽になるリフトなのに、残念ながら普及率はまだ低いのが現状です。リフトで吊り上げるのが大そうな印象を与えるためか、本人も介護する人も、リフトを使ってみようという発想がなかなかわかないようです。リフトに限らず、福祉用具というのは使ってみないと良さが実感しにくいもの。パソコンも使うまでは別になくても構わないと思っていたけれど、実際に使ってみると便利ですよね。それと同じで、いざ使ってみるとリフトに対する考え方も変わると思います。「リフトなんて・・・」と敬遠せず、「試しに使ってみようか」と発想を転換してみましょう。

「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄や介護に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。


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