Covid-19 の感染拡大と2月末からの一斉休校を経て、全国で学校が再開しています。そんな中、「新しい給食スタイル」と銘打った記事がありました。学校再開後の一時的なものだったという情報もあるのですが、万一これが「新しい給食スタイル」であるなら、子どもたちの健康がかなり心配です。
『新しい給食スタイル』始まる 調理パン・牛乳・デザートのみ… 児童「パンが大きくてびっくり!」(NBS長野放送) – Yahoo!ニュース
“子どもたちがほうばっているのは、エビフライを挟んだコッペパン” https://t.co/y9s0yqyBLX
— 給食ひろば (@KyushokuJP) May 25, 2020
他方、Covid-19 とは関係なく、給食が少ないとか酷いという投稿はtwitterにときどきあります。
横浜の給食
(量は学年によって違うけど量の問題じゃない、、、) pic.twitter.com/XhUh7ZeMhe— 廣越由美子(一人から始めるリコール運動☆) (@yumiko1054) April 27, 2020
名古屋市の河村市長が炭水化物のみの粗末な給食を議会で突っ込まれて「貧乏な家庭のお子さんもいますから」と答えてるの見て、この人は口だけの本当にダメな政治家だと思ったよ。
パンに焼きそばって焼きそばパン1個、そして釣りの餌みたいなワカサギ pic.twitter.com/dIK2is2mTX
— Isseki Nagae/永江一石@「虎の穴」 (@Isseki3) December 15, 2019
少子化だし、教育にお金かけないし、給食も昭和の時代の北区立北園小学校のほうがよっぽど良かった。。。
>名古屋の学校給食が刑務所の監獄食よりも粗末だと判明https://t.co/nhlXqbGWnp
— ひろゆき, Hiroyuki Nishimura (@hiroyuki_ni) December 24, 2019
こんな分析記事までありました。
名古屋市の河村市長の粗末な学校給食(タンパク質がない)で名古屋市の子供の体がどれだけ貧弱になったかというデータ。体のデータしかないけど、子供の頃にタンパク質が不足すると脳も成長しないと思います。 https://t.co/yxuqCXOlW0
— 町山智浩 (@TomoMachi) December 16, 2019
横浜と名古屋の記事ですが、他の地域のものも時々見かけます。twitter上の古い投稿は写真が削除されたりするようですね。
他方、お隣の韓国の給食が無償かつ安全なオーガニック野菜を使うものになるということが、評判になっています。
韓国ソウルで高校までの給食が無償になるそうです
2021年からソウル市内すべての小・中・高校で“オーガニック無償給食”施行 https://t.co/nVqvP3cw2h
— FREE 高等教育無償化プロジェクト (@FREE20180913) December 15, 2019
韓国はこういう給食らしいです。で無償だそうな。
そりゃ、一人当たりGDPもぬかれるわ。https://t.co/AvZ3AiVf2n— tomoki.f (@nokamo009) July 8, 2020
日本でも同様の動きがあります。
《千葉県いすみ市では、農家に広く協力を呼びかけて買い付けるというやり方で、時間をかけてオーガニック給食を広げた。石川県羽咋市では農協も協力している。こういった取り組みは地域おこしにもつながる》|毎日:オーガニック給食こそ日本の食を守る一手 | | 川田龍平 https://t.co/G2yRJeeyBT
— 有機農業ニュースクリップ (@OrganicNewsClip) March 9, 2020
日本の中でオーガニック給食を提供している羽咋市やいすみ市を視察しました。昨夜はソウル市で有機無償の給食の実現に向けて取り組んだ話を聞く勉強会に駆け込みました。世界ではオーガニック給食の取り組みが進んでいます。日本でも実現をしたい。子どもたちに安心安全な給食を! pic.twitter.com/TRilubilw2
— 福島みずほ (@mizuhofukushima) February 15, 2020
実は京都でも、前回の市長選挙で取り上げられていたのですね。
京都市のみなさんが食に関して市政の課題を協議してまとめ、学校給食の有機化など重要課題が福山和人さんのマニフェストに反映された。京都市アグロエコロジー宣言。市民のボトムアップの活動と市長による市政改革が結びつけば大きな変革につながる。全国のさきがけに https://t.co/fBwBipJokN pic.twitter.com/D0mLMCXgRu
— INYAKU Tomoya 印鑰 智哉 (@tomo_nada) January 16, 2020
現在、日本の農業には多くの課題がありますし、食の安全に関する問題もそれなりに深刻なものがあり、木曜のカナリア倶楽部でも何度か取り上げてきました。地元の安全な食材を使った給食を提供することには、様々な効果が期待できます。大人と比べて体が小さかったり、成長が盛んな子どもたちに、より安全な食べ物を食べてもらえます。地元でとれた食料を使うことで、フードマイレージ(食料を輸送するのに必要な環境負荷)を減らすことが出来ます。作った農産物が確実に購入、消費されるので農家の経営も安定します。農家が農薬などに頼らない農業経営をやりやすくなれば、安全な食べ物がより広く市場に流通します。
自分や子どもが学校を卒業したら、意識から離れてしまいがちな学校給食ですが、ぜひとも地元の学校でどのような給食が出されているのか、関心を持ってみてください。最近は学校のホームページなどに情報が掲載されていることもあります。
最後に、早川一光先生も大好きだった日野菜の里の滋賀県日野町で、中学校の給食が自校方式・直営で実施されるようになるまでの住民の皆さんの運動について語られている動画を紹介します。30分ほどありますが、是非お聞きください。
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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。