今回は、障害のある子どもとお金のことシリーズの最終回です。
まず、(5)~(7)で取り上げた成年後見人の仕事についてのまとめを書きます。
「後見人は何をしてくれるの?」
*本人の権利を守ります。
権利侵害にあっていないか、チェックします。
サービス等利用計画も、個別支援計画も、チェックしてサインします。支援者に意見もいいます。
施設などで権利侵害にあっていれば苦情を申し立てます。
必要があれば利用事業所を変更し、新しく契約を結びます。
*本人の財産を守り、本人にとって最善の使い方ができるように考えます。
管理するだけではなく、本人にとってより楽しい生活のためにお金を適切に使う支援をします。
*行政への各種手続き、サービスの申請をします。
*ケース会議に出席して本人の立場に立って意見をいいます。
後見人には、「法人後見」と「個人後見」があります。
会社、NPO、社団法人、社会福祉法人等の法人で後見を受任することもあります。
法人後見の場合、組織の複数の人数でチーム対応してもらえますす、複数の目で様々な判断をしてもらえる利点もありますが、反面、担当者が交代することもあり、信頼関係の課題もあります。
「障害のある子どもとお金」については、(1)で書いたように、まさにケースバイケースです。
それは、「お金」に対しての考え方や、価値の置き方が、人それぞれ、家族それぞれ違うからともいえます。
障害のある子どものことが心配になるのは、もっともなことだと思います。その中で、「不安だからとりあえずお金を残しておこう。」というのでは、せっかく残しておいたお金が無駄になったり、きょうだい間の争いのもとになってしまうかもしれません。
①しっかりと情報や知識を得て、根拠のない不安は減らすこと。
②「お金を残す」だけではなく、「本人のためにお金を使う」こともセットで準備すること。
③「お金の話」を家族間でタブーにせず、日頃から小さなことでも話し合っておくこと。
をお勧めします。
8回連続で「障害のある子どもとお金のこと」についてお話をしてきました。まだまだ親御さんの悩みは尽きないと思います。でも、お金に関しては、制度を適切に知って、それを活用することで、安心できる部分もあるのではないかと思います。
地域によっては、「なんでも相談会」など、障害のある人や、認知症の人の家族が相談できる会を開催されているところもあります。お金のことでも、相続のことでも一度相談してみてはいかがでしょうか?