ご存知ですか、種苗法改正ー14日(木)に審議3時間でスピード採決という情報も!

早速ですが、今年の2月末の記事です。
「種苗法改定案が今国会に上程!自家増殖(採種)一律禁止になり、違反すると10年以下の懲役1000万以下の罰金共謀罪の対象!? 日本の農業政策の未来にあるのは強欲アグリビジネスの支配体制!」2020.2.26


種苗法改正については、ずっと取り上げたいと思っていたのですが、なかなか情報が集められずにいました。情報を発信している人物が限られるため、ある程度多角的に情報を集めることができませんでした。おそらく、ネットも含めてメディアが「都会」の視点に集中しすぎており、農村のことは興味の外になってしまっているのだろうと思います。私が大学生だった頃は、農産品の輸入自由化などをめぐっては賛否両論の議論がテレビでも展開されていたのが、他所の世界のようです。
このような中、女優の柴崎コウさんのツイートがきっかけで、インターネット上にも情報が増えてきました。ただそれでも、柴崎さんのツイートがすぐに削除されたこと(=政治的な発言をするなという圧力が強いこと)を問題にする場合が多く、種苗法改正の問題点を論じる論考は少なめです。


ただ、GW明けにも国会での審議が始まる(それどころか「12日に農水委員会で主旨説明、 14日に3時間審議 →即採決の可能性あり」との情報もあります)、様相が変わってきました。(1)品種改良などの種子開発の著作権を保護するために、農家の自家増殖(採種)が禁止されるということ、(2)種を取るために多額の費用が必要になって農業の継続が難しくなること、(3)大規模メーカーによる一律の種子では、地域ごとに異なる土壌や気候条件に適合しないことが多くなるために食糧生産力が落ちてしまうことが懸念されるといった問題点が指摘されています。


そもそも種苗法とは何で、今回の改正案の何が問題なのかについては、こちらにまとまった記事がありました。


イラストもあります。


動画では、堤未果さんによる解説がわかりやすかったです。政府は「日本の高品質な果物を守るためだ」「これまで農家が行ってきた農作ができなくなるわけではない」と言っていますが、それがどういうふうに欺瞞であることについても説明されています。

「日本の種子(たね)を守る会」による解説(見解)はこちらです。


なおこちらもほとんど知られていないことですが、すでに種子法が廃止されています。前の滋賀県知事の嘉田由紀子さんは、参院選に立候補した際に「知事時代、種子法があったから近江米を守ることができた」と仰っていました。日本の食糧生産を守ってきた砦は、すでに崩され始めています。


Covid-19のニュースに隠されてしまっていますが、種苗法のことも含めて、農村や農業についてもアンテナをはっておきたいと思います。
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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。


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