新型コロナウィルス拡散防止の休校やイベント自粛がはじまってから、2週間以上が過ぎました。報道を見る限りその勢いは衰える雰囲気は今のところ感じられず、生活への様々な影響とともに先行きへの不安感も募ります。しかし、生活は続いています。
成年後見人としての活動も当然止めるわけにはいかず、被後見人さんの大切な財産を預かっていますし、また、心身の状態を確認して変化に応じて必要な介護や支援体制を整えなければなりません。こんな時だからこそ、より一層大切です。
しかし、困ったことに面会もままならない状況になってきました。少し前から、病院や老人ホームなどの施設では面会制限が始まっていましたが、サービス付き高齢者住宅のような集合住宅でも来客面会の中止が求められ、デイサービスへの通所もしばらく自粛してほしいとのこと。感染リスクを考えると、安全のために外部との交流機会は減らすことが安全策なのだと理解できますが、長引くようであれば困るなぁ…と思います。もちろん、施設の中ではしっかりと医療や介護が行われているので、その点は安心です。しかし、利用者さんの視点で考えると、財産管理をしている人の顔が見えないと不安だろうなぁ…と。
こんなとき、例えばスマホやタブレットをつかったテレビ電話(表現が古い?ビデオ通話のほうが今風?)ができるといいのになぁ…と思います。同時に「会って顔をお互いに確認する」という作業は、何気なく日々の業務の中で行っていますが、そこでやり取りする情報はものすごく大きいものだったのだと気づかされます。もちろん、直に会って場を共有し話をすることがベストですが、せめて顔が見れたら…表情が見れたらお互いに安心できると思うのに…と思うわけです。
介護の現場ではICT導入が進められ、見守りセンサーや対話ロボットの導入など、いろいろな取り組みが行われています。しかし、それらの大半は介護業務の負担軽減のためや、ロボットによるコミュニケーションやレクリエーションの提供の目的が多いように思います。ICTの本来の機能である、人と人とのコミュニケーション手段という点での活用は、二の次になっていたのではないかと、今の状態を見て思います。
私が担当する高齢の利用者さんの大半は、スマホ等はお持ちではありません。しかし、「使えないから持てない・持たない」ではなく、生活の場でどうすれば便利な機器を導入・活用できるかを考えることは、これからの時代に大切なことだと思いました。そのためには、その人の支援担当者一人が考えるのではなく、他の支援者や施設、地域社会がそれを歓迎し、誰にとってもそこにICT機器があり人と繋がることがごく当たり前にある世の中を望むことが大切なことだと感じています。
結局今回は、そのような環境は整っていないので、利用者さんの顔がちらっと見えるかもしれないタイミングを計って、施設に届け物を持っていっていきました。私に気づき笑顔で手を振ってくださった姿に、お元気そうでほっと一安心。新型コロナウィルスがおさまり、面会制限が解けたら積もる話をゆっくり聞けるように、時間に余裕をもって訪問しようと思います。そして、何かあった時の連絡手段についてもう少し詰めておきたいと思います。