障害のある子どもとお金のこと(4)

前回の続きです。
これは、山田花子さんの福祉サービス利用負担金の請求書です。(下写真)
山田花子さん(仮名)は、知的障害のある女性です。障害程度は区分5です。グループホームで生活をして、昼間は障害のある人のサロンに通っています。このサロンは日中一時支援事業で運営されています。グループホームとサロンを運営している法人は同一法人ですので、一緒に1枚の請求書が来ます。

山田花子さんは、障害基礎年金1級のみの収入です。そのほかの収入もありません。そのため、サービスの利用負担金は発生しません。請求書には家賃・水光熱費・日用品費・食費が書かれています。もし、山田花子さんが障害基礎年金以外に収入があり、市町村民税を支払う必要がある収入の額である場合、サービスの利用料が発生します。ご本人が市町村民税非課税かどうかはお住まいの市町村でご確認ください。

山田花子さんの入居しているグループホームは、地方都市では平均的な価格に設定されているほうだと思います。家賃が2万円ですが、家賃に対して国から1万円の補足給付費がありますので、実質は1万円です。この補足給付も、本人の収入に応じて受けることができるかどうかは決まります。水道光熱費が1万円、日用品費が2,500円。食費は食べた回数分に応じて請求されます。この月は、サロンがお正月休みもあり、昼食回数が少かったです。つまり、住むところと、通うところと、3食の食事を合わせて、56,000円ということになります。(昼食は平日サロン分のみ)

このほかにかかる毎月かかるお金は、携帯代2,000円。移動支援のヘルパーさんとの外出の際の食事代やカラオケ代、交通費などが5,000円、グループホームの余暇外出などの費用が5,000円ほどです。医療費は、住んでいる市町村の助成制度がありますので、1回の通院で500円です。山田花子さんは特に持病がありませんので、風邪をひいたときなどに通院する程度です。

障害基礎年金がだいたい毎月80,000円なので、
80,000円-(56,000円+2,000円+5,000円+5,000円)=12,000円
毎月残る12,000円×12か月=14万4千円(1年)が、

衣類や布団などの日用品、病気になった時の医療費、施設の行事の旅行などへの参加費などにあてています。ギリギリ生活はできていますが、自分の部屋のテレビが壊れたときなど金額の大きな買い物が必要になった時は、貯金を使います。洗濯機や冷蔵庫などはグループホーム共有の物品ですので、山田花子さんが自分のお金で買うことはありません。

また、この請求書は1月のものですので、サロンがおやすみのお正月は、初詣に行ったり、ホームの友だちとカラオケや外食に行かれたので、普段の月よりは少し多めに余暇費用がかかりました。土日に外出しないでホームでゆっくりするときはホームの職員さんが昼食を作ってくれます。

山田花子さんの金銭の管理はご両親がされています。しかし、ご両親は、自分たちが亡き後を考えて、そろそろ成年後見制度を利用したいと考えておられます。ご両親は、金銭管理だけを望んでいるわけではありません。

①本人のために有意義にお金を使ってくれる。

②グループホームで適切なケアを受けているか目配りをしてくれる。

③困ったことがあれば本人の権利を護るために本人に代わって意見を言ってくれる。

④必要な福祉サービスの契約をしてくれる。

そんな人に成年後見人を受任してほしいと思っています。

(続く)(山田花子さんのお話は架空のお話です。)

 

 


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坂本彩(彩社会福祉士事務所) 大学卒業後、20年間、知的障害のある人とかかわる仕事をする。2017年に、独立型社会福祉士事務所を開業。福祉施設のアドバイザーや研修講師、成年後見人の受任、大学の非常勤講師などをしている。障害のある人もない人も一緒に「学び合いの空間づくり」をしていきたい。社会福祉士、介護福祉士、障害者相談支援専門員、そのほか、漢方養生士指導士、漢方スタイリスト、薬膳アドバイザーの資格も持つ。