はいせつよもやま話~安心のためのお守りとして

排泄の悩みを持つ高齢者は少なくありません。おそらく本人も困っていて、何とかしたいと思っておられます。おむつはハードルが高くて使いたくない人には失禁パンツを薦めてみるのも方法です。濡れたら洗わないといけないのが少し面倒ですが、黙って引き出しに何枚か入れておくと、とても気に入ってもらえることがあります。失禁用品に抵抗がある人には面と向かって言わない方が良いでしょう。
寝たきりになられた場合は、おしっこに行きたくなった時に尿瓶などが使えれば良いのですが、なければ仕方がないと思って、おむつを受け入れて下さる場合もあります。でも介護ベッドで体を起こしてポータブルトイレなどに移れるなら、おむつに頼らない排泄が本人にとっても家族にとっても大切です。ヘルパーさんに来てもらうなどしてできるだけポータブルトイレで排泄し、夜間は布のパンツにパッドを固定するだけでも十分対応できます。この方法は尿漏れの心配がない方でも、「安心して眠ることができてよい」と言われる方もおられます。
排便はトイレでするのが一番です。行ける方法をみつけてトイレでする方が良いですね。トイレに行くのが難しい場合は、排泄物を完全に密封できるポータブルトイレもあって、排泄後にボタンを押せば全て包んでしまえるので、排泄物が入ったバケツを洗う必要がありません。介助が必要な方の場合、どうしても行きたくなった時のために、ベッドから移乗しやすい場所にポータブルトイレを置いておくと良いでしょう。お守りとして排泄用具を備えていると安心です。

「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。


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