先週末は大学入試センター試験でした。最近ネット上で話題になっていた言葉に「センター試験痴漢」というものがあります。テレビでも取り上げられたようですね。酷い話です。
「センター試験痴漢」って意味わからなかったけどそういうことか!ほんとに「畜生」以下だな。 https://t.co/X6exDrCudT
— おおたとしまさ (@toshimasaota) January 14, 2020
日本社会における性暴力の実態は、年末に紹介した動画「日本の隠された恥」でも出てきました。大きな問題のひとつに、「被害に遭った人が責められる、バッシングされる」ということがあると思います。例えば「痴漢に遭った人が**という服装をしていたから」というもの。どんな服装をしていても、痴漢をした方が悪いに決まっています。
短いスカートは痴漢を誘発するって書いていたカンコー学生服が謝罪と言う名の言い訳してる。
①「不快な思いをされた方々にお詫び」じゃなくて全国の痴漢被害にあってきた(元も含めた)女子学生に謝るべき
②「女性蔑視や軽視を意図するものではなく」ではなく女性蔑視の意識を持つ者が作成した、だよね https://t.co/e9liWhmklk— 猫海賊Aska(性犯罪許さない人) (@1moresmartwoman) January 16, 2019
このような状況が、被害に遭った女性が警察などに被害を訴えることができないという結果を生んでいると思われます。
DV受けても警察に通報しない日本女性 EUとの比較で浮かび上がった「社会的圧力」(弁護士ドットコム) https://t.co/sMd5okm8tl
— 小川たまか⛄️페미니스트 (@ogawatam) October 13, 2019
〈仮に、「性被害を告発する人間は性被害者ではない」などというお話が本当だということになったら、この世界には性被害として認定される犯罪が一つも存在しないことになる。そんな奇天烈な話があってたまるものか〉小田嶋隆さん https://t.co/fGWzU9wHfn
— 小池晃 (@koike_akira) December 20, 2019
ネットやメディア上にも、その状況を助長するようなコンテンツがたくさんあります。
『女性が乱暴を受けるマンガやゲームの広告が表示される』
これは男の自分も嫌。何とかしてほしい。
minecraftのmodの情報を見たいだけなのに、エログロ広告に出会うのは不快。
販売ページでは年齢確認をしながら、広告では老若男女に見せつける。唯の規制逃れでは。https://t.co/YyJhnwiPfW— SK DEFENCE (旧:獅子喰い) (@shishikuiMMDer) October 19, 2019
他方で、伊藤詩織さんの勇気ある行動やMeToo、KuTooなど、声を上げ始めた女性たちによる変化の兆しもあるように思います(思いたいです)。
伊藤詩織さんの件を“shukatsu sekuhara(就活セクハラ)”の枠組みで捉え、日本のセクハラ・性暴力被害の現状を書いた記事。フランス語出来ないのでGoogle翻訳で読んだけど(涙)、世界が注目しているのは伊藤さんの言動ではなく、日本社会がここからどう変わっていくかであるということが良く分かる。 https://t.co/cVY1qyd9Er
— 竹下郁子 (@i_tkst) December 22, 2019
諸外国でも最初は酷い状況があり、一歩一歩進んできたのだと思います。
映画を学ぶ女子学生が主導した請願活動が実を結んだ形となった。
地元の放送局によると、活動は支持者10万人以上の署名を集め、関連法の修正を促すきっかけとなった。😭😭😭👏👏👏
スカート内の盗撮は犯罪行為、ドイツで法案発効へ https://t.co/WZ3fnhF9IG @cnn_co_jpより
— 竹下郁子 (@i_tkst) November 17, 2019
今日も多くの人々が電車を使って移動しているわけですが、卑怯な暴力が無くなる日が一日も早く来ますように、と思います。
追記:センター試験が終わるころ、「『痴漢やめろは男性に失礼だ』という意見があるけれどもそれこそ男性に失礼でしょう」とう趣旨のtweetをいくつか見かけました。
しかし「痴漢やめろ」の運動を見て「男をみんな痴漢扱いするな」という人は、どういう思考を経てそうなってしまうのか。
痴漢やめろは痴漢に言ってるのであって、痴漢じゃない人は痴漢じゃないから痴漢やめろとは特に言われてないよ(混乱)— 紙魚エビ@極低浮上 (@bookfishswim) January 19, 2020
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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。