「熱中症」と言うと暑い時期に多いことから寒い時期は油断しがちですが、冬場でも熱中症は起こります。冬に微熱がずっと続いている人がいました。お医者さんも最初は「どうして微熱が出るのかな」とおっしゃっていたのですが、家族があまり水分のことを気にしていませんでした。寒いだろうと思って、ずっと電気毛布を掛けていたそうです。ところが部屋は暖房が効いていて、暑くて汗をかいてしまい、脱水状態になっていたのです。要介護度の高い人は防水シーツを敷いていて蒸れてしまったり、寝具環境が非常に悪いことが少なくありません。それに加えて部屋がとても暑かったり、本人が頻繁に排泄したくないと思ってあまり水分を摂らないと冬の熱中症が起きることがあります。その人は電気毛布を外して寝具環境を改善したところ、微熱が下がりました。脱水は自分でも気づかないうちに起こります。以前もお話ししましたが、就寝中のトイレが気になる方は、寝る前に利尿作用があるものを摂ることは控え、ノンカフェインのものにするなど、飲むものを工夫して水分摂取を心がけてください。更に寝具環境を見直して、冬の熱中症を防ぎましょう。
※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。