今年も大きな台風が来ました。被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。19号の被害は昨年の西日本豪雨よりも大きかったと伝えられています。もともと災害の多い日本ですが、より多発しているように思います。インターネットが普及して、きめ細かな災害情報を受け取りやすくなりました。他方でデマも横行しています。特に外国の方に関するデマは酷いようで、私自身も見かけたことがあります。
「最近では『~~人の窃盗団』といった人種差別的なツイートも見られる。こうした書き込みを広げてはいけない」
「デマやうわさで一番助かるのは、拡散ではなく止めること」
2018年9月の記事、再掲します☟#災害 #台風 #防災 #外国人
https://t.co/omViocGKk4— YSCグローバル・スクール (青少年自立援助センター) (@kodomo_nihongo) September 13, 2019
[震災デマ注意] おもしろがって「朝鮮人が井戸に毒」とか「中国人の窃盗団が」とか言うバカが必ず現れますが、被災者でない方はスルーしないでマジギレでド詰めお願いします。なお、引用ツイートをする際に下記画像を添付するとデマ文言をマスクできます。pic.twitter.com/oiFAz99r92
— C.R.A.C. (@cracjp) June 18, 2018
他方、関東大震災後のデマとそれに基づく朝鮮人虐殺の歴史を否定しようという動きもあります。
KKKのような連中による死者冒涜集会。あまりにあんまりな内容に絶句した。 / “朝鮮人犠牲者追悼のウラで行われた「虐殺を否定する」慰霊祭(安田 浩一) | 現代新書 | 講談社(1/3)” https://t.co/J5DbJ5G3zd
— 深町秋生・新刊「PO守護神の槍」 (@ash0966) September 21, 2019
小池都知事もまた、歴代の知事が続けてきた追悼文を寄せないという行動に出ています。
社説「小池都知事の追悼文見送り 既成事実化は許されない」です。関東大震災の朝鮮人虐殺。「95年前の惨劇を過去のことと切り離すべきではない。だからこそ毎年過去を確認し、不幸な歴史を繰り返さぬ決意を示すことが必要だ。それが行政トップである知事の役割だ」 https://t.co/GCoH2xoG72
— 小川一 (@pinpinkiri) August 30, 2018
話が変わりますが今年の台風19号の際には、twitter上で新聞配達員を守ってほしいという投稿も見かけました。以前にこのコラムで取り上げた新聞奨学生からも切実な声があります。
私は東京に住んでいる新聞奨学生です。明日の朝刊配達はあります。「早く来て早く終わらせろ」だそうです。
明日の朝刊は何とか頑張ります。でも明日の夕刊と、日曜日の朝刊だけは本当に危ないです。怖いです。どうか休みにしてください死にたくないです。
#台風 #台風19号 https://t.co/2UzNawZjsr— ゆり (@YulyCeiren) October 11, 2019
私が知る限り、現状では、災害が予想されるときには配達中止という措置はないようですが、考えたほうが良いのではないかと思います。
東京で野宿者の方を避難所に受け入れるのを拒否するということがありました。この件はその後、国会でも取り上げられ、政府からも適切ではない対応だったという答弁がありました。他方でこの件が報じられると、「税金を払っていないのだから当然」といった意見もネットには流れていました。この問題についてはこちらの、石川先生の記事が参考になると思います。
皆さんご無事でしょうか、まだ増水は続く地域もあり、混乱は続きますからどうかお気をつけて。
さて、この石川氏の記事をぜひご一読ください。
納税額の低い人を「税金泥棒」と見なす社会は、どう克服されてきたか @gendai_biz https://t.co/IWtuRfe11R #現代ビジネス— 石田英敬 (@nulptyx) October 13, 2019
台風の季節が過ぎて、改めていろいろと思う日々です。
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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。