8月も半ば、お盆休みもそろそろ終わりの時期です。今年はより一層高温が続いていますが、おかわりなくお過ごしでしょうか。
夏と聞いてイメージするものは、花火、スイカ、夏祭り、セミ、風鈴、海・・・。こうやって並べてみると、スイカを食べて、扇風機の風で揺れる風鈴の音を聞きながら、お昼寝をした子供の頃の夏休みが懐かしく思い出されます。私は山育ちなので、あまり海の思い出はないのですが、海の町で育った方は海の思い出が多いものでしょうか?
この夏、私は友人に誘われ『夢と友情をつなげるサーフィンプロジェクト』に参加するため三重県志摩へ行ってきました。このプロジェクトは今年で2回目だそうで、総勢100名近くの人が集っていました。その目的は認知症になってもサーフィンをしたい!久しぶりにしたい!!という方々の夢を実現するものでした。ご本人はもちろん、家族、支援者そしてプロのサーファーの方が集まって、にぎやかで熱い海辺になっていました。取材もいくつか来ていて、すでにメディアで紹介されていたのでご存知の方もいらっしゃるでしょう。
ちなみに、私は全く泳げません。ですから、きっと今後の人生でサーフィンをしたいと思うことはないでしょう。でも、他に趣味はあります。たとえば、映画を映画館でポップコーンを食べながら見ること、おいしいものを食べ歩くこと、たまに再開する語学学習・・・。いくつになっても、体調が良ければ楽しみ続けたいなぁと思います。サーフィンは私にとってはハードルが高く、浜辺を楽しむだけですが、『久しぶりにしたら、やっぱり楽しい!』と笑顔の参加者さんと共に過ごす時間は心地よいものでした。
認知症になると、周囲から様々な制約を課せられることがあると聞きます。できることもさせてもらえず、危ない危ないと言われ、同行者がいないと外出もさせてもらえないと聞くことも珍しくありません。「サーフィンなんて、自転車なんて、火や刃物をつかう調理なんて、危ない!」という声を簡単に発していないか、自分自身を省みたいと思います。
サーフィンでも料理でも映画館めぐりでも、自分の楽しみが、ごく自然に続けられる世の中になれば、もっと人生を生きていくのが楽しみになるだろうなぁと思いました。
今回はプロジェクトとして開催されているサーフィンに行きましたが、福祉専門職としては、認知症になったとしても、楽しく生活ができ、趣味が当たり前に楽しめる世の中を目指して、いつでも本人が行きたいときにサーフィンなどができる世の中になるよう、活動していきたいものです。夏が過ぎ、秋になると、世界アルツハイマーデーやRUN伴など、認知症に関する啓発イベントが各地で開催されるでしょう。一人でも多くの、まだ認知症に関心を向けていない方にも思いが届くように頑張っていきましょう!