闇夜は怖い。町から離れた山道で車のライトを消すと、一瞬で何も見えなくなる。夜とはこんなにも暗いものかと日頃照明に包まれた生活をしていると思ってしまう。でも目が暗闇に慣れて来ると夜空の星や蛍の淡い光が見え始め、周囲の地形まで次第にその存在がはっきりとして来る。足元を照らそうと持っていたLEDの懐中電灯を点けると足元以外が一瞬で闇夜に包まれた。明るすぎる照明がかえって周囲を見えなくすることに気付いた。
闇夜は怖い、でも足元しか見えないことの方がもっと怖い。「星明り・月明り・蛍の光。」闇夜を照らす淡い光。明る過ぎる照明を消してみる闇夜は、決して暗黒ではない。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。