熱中症の対策2:水分補給・塩分補給
熱中症は命の危険にもかかわることがあります。予防のために対策をとることが大切です。最も効果的なのが、「水分の補給」です。正しく水分補給をすると、体温を下げたり、発汗により乱れた水分と塩分のバランスを整えたりできます。
熱中症対策のための正しい水分補給のポイントとしては、まず喉や体が渇く前に飲むと言うことです。ただし一気に、多い量の水分を補給するのではなく、こまめに、少量ずつの水分を補給することが大切です。
でも、体温を下げることが大事だからと言って、冷た過ぎる水分を補給すると、逆に体に負担になるので注意しましょう! 特に、大量に汗をかいた場合には、水分だけでなく塩分の摂取も必要です。そういった場合、スポーツドリンクや経口補水液などが望ましいです。スポーツドリンクや経口補水液が苦手な方は、昆布茶とか、お茶と梅干し(食べ過ぎはダメですよ)を一緒に摂るとかでも構いませんが、常温くらいのものにしてください。
小さなお子さんや高齢者の方には、腎臓や心臓への負担も大きいので、スポーツドリンクや経口補水液を、水で半分くらいに薄めてから補給してもらう方が良いのではないかと考えています。そして、意外と良いとされているのは、「麦茶」です。利尿作用もあり、体熱の放出にもなるようです。そういえば、昭和の中頃には、砂糖を入れて飲むこともあったとか・・・夏を過ごす知恵を、昔の人は知っていたんですね。頭が下がりますm(_ _)m。
しかし、色々な病気、例えば、心不全や腎不全がある方は、水分補給をそう簡単には行えませんし、糖尿病の方はスポーツドリンクを飲むと、血糖が上がってしまいます。かといって、水では心もとない時もあります。また、高血圧の方は、塩分の摂りすぎも控えたいところ・・・
1人1人それぞれ、考えなくてはいけないので、かかりつけのお医者さんと相談しながらが良いでしょう。僕も、いつも悩みながら、患者さんにアドバイスしています。
これから、やってくる、暑い暑い夏。元気に、夏バテせずに乗り切っていきましょう!!!
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岡崎寛士<三条おかざきクリニック院長>
九州大学大学卒業。九州大学医学部附属病院(現九州大学病院)第二外科、国立病院機構九州医療センター、国立病院機構九州がんセンター、京都第二赤十字病院等に勤務の後、平成26年「三条おかざきクリニック」開院。