川村輝夫の映画情報~「マイ・ブックショップ」

英題は「The Bookshop」(製作国:スペイン)。『ナイト・トーキョー・デイ』などのイザベル・コイシェ監督が、イギリスのブッカー賞受賞作家ペネロピ・フィッツジェラルドの小説を映画化。田舎町で亡き夫との念願だった書店を開業しようとするヒロインを描く。主演は『レオニー』などのエミリー・モーティマー、共演に『ラブ・アクチュアリー』などのビル・ナイ、コイシェ監督作『しあわせへのまわり道』にも出演したパトリシア・クラークソンら。

《あらすじ》
1959年、戦争で夫を亡くしたフローレンス(エミリー・モーティマー)は、書店が1軒もないイギリスの田舎町で、夫との夢だった書店を開こうとする。しかし、保守的な町では女性の開業は珍しく、彼女の行動は住民たちから不評を買う。ある日、40年以上も自宅に引きこもりひたすら読書していた老紳士(ビル・ナイ)と出会う。

映画好きの友人から教えてもらって観ました。舞台がイギリスの漁村で、読み聞かせ的なナレーションが入り、出だしのほのぼのした港町の光景が、印象に残ります。ところが、なんとも傲慢な金持ちと権威に弱い庶民の醜さを見せつけられて唖然とします。和やかな日常会話に潜む悪意が恐ろしい!
知らずに田舎町の住民を敵に回した女性店主フローレンスの毅然とした佇まいが際立つし、演じるE・モーティマーの素朴な美がキャラに見事!文学老人役のビル・ナイとの相性も素晴らしく、二人のシーンは本当に美しい。変化を恐れる狭量な保守派と進歩的なリベラルの戦いと見ることもできましょうが、単純に本を愛することと信念を曲げないことの大切さを伝えたかったのでしょうね。クラシカルな衣装とおしゃまな子役がいい味を出しています。
★★90点★★