ブラック校則

ブラック校則とは「合理性もなければ必要性の説明すらできない校則」で、例えば生徒から「なぜ」と問われると「ルールだから従いなさい」としか言えないような校則のことです。下着の色を指定して、教師がチェックをするといった生徒の人権を無視した行為が行われることもあります。2017年に、大阪の女子高校生が生まれつきの髪色を黒く染めるよう強要されて不登校になり、裁判を起こしたことが「ブラック校則」として注目されるきっかけになったようです。
大阪のこの事件については、私も驚きました。私自身はいわゆる天然パーマで、色もどちらかというと栗色です。中学時代は校則でパーマは禁止されていました。パーマをあてたい生徒から教師に対して、「ストレートヘアでないとダメなら、天然パーマの生徒にストレートパーマあてさせろや!」と、人をダシに使った抗議をしているのは見かけましたが(笑)、教師等から「ストレートヘアにしなさい」などと言われたことはありません。また私の知人(夫婦ともに外国ルーツではない)のお子さんは、両親ともに黒い髪ですが、生まれつき金髪です。まして現在は、外国にルーツを持ち、肌の色も髪の色も多様な人々が暮らしているのです。
大阪の事件をきっかけに「ブラック校則をなくそう! プロジェクト」が始まりました。詳細はこちらから読めます。


ブラック校則データベースなんてものまであります。暑さ寒さに対応した服装が禁止されることなど、生徒の健康状態に関わる大問題だと思います。実は私は冷え性ですが、中学校ではタイツが禁止で(制服はスカート)、冷えのぼせて冬中真っ赤な顔をしていました。

なお、校則が厳しかったのは昔のことと思っている方も少なくないと思われますが、実際はそうではありません。


他方でこのような動きもあります。


校則というのは、いわば「転ばぬ先の杖」を子どもに与えているようなものなのだと思います。ルールがないとトラブルになるから、予防するためにルールを作る。そしてどんどんルールが増えます。けれど中学生にもなれば、大人たちの支援を受けながら、子ども達は自分でルールを作ったり考え直したりもできるのですけれどね。
「子どもの権利条約」では、子どもの意見表明権や表現の自由、思想・良心の自由が保障されていることとも照らし合わせて考えたい問題だと思います。


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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。


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