外国ルーツの子どもたち、国境を越えて移動する子どもたち(2)

4週間前に「外国ルーツの子どもたち、国境を越えて移動する子どもたち(1)」という記事を書きました。その日の夕方、大阪を中心に外国にルーツを持つ子どもや親子の支援活動をおこなっている金光敏さんの講演を聞きました。金さんは毎日新聞で連載記事も書いておられました。

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大阪には外国にルーツを持つ子どもたちが多く暮らしています。個々人の状況は、それぞれがツールを持つ国によっても大きく異なっているのですが、言葉の問題や生活上の問題、経済的な問題などで支援を必要とする親子も少なくありません。大阪のミナミではかつて、フィリピン出身のシングルマザーが小学校に入学したばかりの我が子を巻き添えに心中をはかるという痛ましい事件がありました。そのような悲劇を生みだしてはならないと、地域と学校で支援の取り組みを行っています。


ただ実際には、つらい思いをしづつけている子どもが少なくありません。


なぜこのようなことになるかというと、日本には海外からの移住者に関する法制度が出入国管理に関するものしかなく、外国人やその家族の権利の保護に関する取り組みは各自治体に丸投げされているような状態であるためです。国際人権規約や子どもの権利条約など、外国人とその家族の人権に関する国際法を批准しているにもかかわらず、それを具体化し適切に予算措置をするための法制度がありません。
このままでは良くないので、「外国住民基本法」の制定などを求める動きもありますが、実現はしていません。


なお、日本に来る人々の子どもたちの教育の話をすると「どうして外国人の面倒まで…」という感想を持つ方もおられるかもしれません。しかし、仕事の関係等で外国に滞在する日本人の子どもたちもまた、それぞれの国で言葉の教育も含めた支援を受けていることを忘れないでください。

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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。


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