先日、日が暮れてから肥料を仕込んでいるとパラパラと雨が降り出した。強くならないうちに終わらせたいなと思っているうちに突然横殴りの雨に変わった。12月にもかかわらず日中は夏日となり、前線通過のタイミングで嵐となったのだ。台風で壊れた屋根がまだ修理仕切れていない肥料小屋の中にも大量の雨と風が吹き込んでくる。順調に育っていた野菜も横倒しになり、跳ね上げられた泥水が葉と葉の間にまで入り込んでしまい収穫出荷の作業にも一段と手間が掛かってしまう。天災に苦しめられ続けた年となった。温暖化防止の為の世界会議が開かれてはいるが、一方で経済最優先の競争社会も世界的にとどまる事を知らない。「地球に優しい」と銘打った商品が溢れているのに温暖化に歯止めが掛かる気配は無い。とは言え自分も環境負荷の小さい農業を志しながらも物質的豊かさの中で暮らしている。来年は、この矛盾を止揚させられるようなきっかけを掴みたい。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。