犬にまつわる本3を紹介します。それぞれ小説、エッセイ、雑誌と形式の違う3冊ですが、いずれも心に残る作品です。
★「白い犬とワルツを」テリー・ケイ
年老いたサムの元に妻を亡くしてから現れるようになった白い犬。静かな日々を綴った大人の童話。日本では津田沼の「BOOKS昭和堂」が店頭で作ったポップがきっかけで180万部のベストセラーとなったそうですが、その「BOOKS昭和堂」が本日9月15日で閉店するそうです。街の本屋さんが、書店文化がまたひとつ消えていくんですね。この作品にハマって、他のテリー・ケイの小説をいくつか読みましたが、やはりこれが群を抜いて素晴らしいです。★「ダメ犬グー 11年+108日の物語」ごとうやすゆき
愛犬グーとの日々と別れを描いたイラストエッセイ。グーはドーベルマン。ドーベルマンって強面のイメージだけど、こんなにドジで愛らしいんですね。読みやすいので、すぐに読めます。今回数年ぶりに読んで、また泣いてしまいました。この本を読む度に犬の世話を手抜き気味だったことを反省し、もっと愛情を注ごうという気持ちになります。犬を飼った経験のある人、飼おうと思っている人に老若男女問わず読んで欲しい一冊です。★「戦中・戦後の暮らしの記録」暮らしの手帖社より「愛犬アドヴィン号」
創刊70周年記念企画として「暮らしの手帖」が募集した戦争体験の手記をまとめたもの。再び戦争を繰り返さないために残しておきたい暮らしの声が157点集められています。その中の4編を紹介した初夏号を美容室で読み、軍用犬となる犬を育てた経験を綴った「愛犬アドヴィン号」という87歳の毎田至子さんの作品が強く印象に残り、帰りに書店で買い求めました。反響が大きかったのか、暮らしの手帖のサイトで読めるようになっています。毎田さんは当時12歳。今でもアドヴィンのことを思うと涙するそうです。犬ほど「いのち」を体現して見せてくれるものはないと犬好きの私は感じています。(モモ母)