6月18日の地震のこと(3)-地震翌日京都にて

1限も4限も,授業では,写真も見せながら,昨日1日私がどのように過ごしたか,近隣の状態はどうだったか,私の家と保育所と寿栄小学校の位置関係,ママ友LINEグループのありがたさと,ママ友さんから聞いた話などをしました。

そして,こんな内容のことを言いました。
「私も,保育所の連絡カードの“勤務先から徒歩で何分かかるか”,“緊急時の引き取り先”,毎年書かされるけれど,まさかそんなことはないだろうと思いながら書いていました。でも,現実に起こりました。私も人間だから,悩むことやつらいこととかもう嫌と思うことがひとつふたつみっつよっつあるけれど,それも生きていてこそだなと思いました。もしかしたら,当たり前の日常が当たり前に進んでいくことが幸せなのかもしれません。どうしてもあれがつらいな,これもしんどい,あれも嫌と思えるのも,当たり前の日常があってこそだなと私は思いました。こんなときに心理学に何ができるのか私も自問自答して答えが出せないのだけれど,“心のケア”はもちろんのこと,それだけでなく,心理学には何かができると思います。それを伝えたくて今日は授業とは関係ないですがこの話をしました。阪神淡路大震災の死者が何千人,今回の死者が4人(脚注)。4人で今回の方が被害小さかったね,とかではない。ひとりのいのち,ひとりのいのち,ひとりのいのち…の何千人,今回の4人も,ひとりのいのち,別のひとりのいのち,別のひとりのいのち,別のひとりのいのちで,ひとつひとつのいのちは,他の誰でもないその人のいのちだから,いのちがうしなわれるのは悲しいことだと思います。最後に傲慢かもしれないけれどお願いします。今回亡くなられた4人の人のために手をあわせてください」と言いました。私が感じたことそのままを伝えました。

嫌なこと,つらいこと,悩むこと,苦しいことは日常にたくさんあるけれど,当たり前の日常が当たり前に進んでいくことの中に幸せがあると思ったのです。それを一番伝えたかったのです。学生はみんな手をあわせてくれました。


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