かわらじ先生の国際講座~今年は日露交流年

両国の関係は良好なのですね?

ところが国家レベルの関係はかなり険悪なのです。近年ロシアは北方領土にミサイルを配備するなど強硬策をとっています。今年2月にも日本政府は、択捉の軍事拠点化に対する抗議を行いました。

なぜロシアはそのような行動をとるのですか?

ロシア政府は、日米同盟の強化がロシアを敵視するものだと言っているのです。特に日本がアメリカから購入する陸上配備型ミサイル・システム「イージス・アショア」が、ロシアの安全を脅かすと批判しています。

関係改善への打開策はないのですか?

今月下旬、両国政府はモスクワで、外務・防衛担当閣僚会議(2プラス2)を行う予定です。そこで建設的な議論がなされることを期待しています。
南北首脳会談や米朝首脳会談によって、北朝鮮の扉が開かれつつあります。日露両国も、いがみ合っているのでなく、北東アジアを核のない平和な地域とすべく、知恵を出し合わないといけません。北朝鮮の変化は、日露が協力するための大きなチャンスです。
双方とも軍事に膨大な国家予算を使い、対立するのは愚の骨頂です。今年が両国政府にとっても真の交流年となることを切に望みます。

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河原地英武<京都産業大学外国語学部教授>
東京外国語大学ロシア語学科卒。同大学院修士課程修了。専門分野はロシア政治、安全保障問題、国際関係論。俳人協会会員でもあり、東海学園大学では俳句創作を担当。俳句誌「伊吹嶺」主宰。


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