10月末から12月にかけて、日本の「今」を知り未来を考えようというイベントが3件あります。いずれも京都での開催です。ぜひ、足を運んでみてくださいましたらと思います。
まずは10月30日水曜日の午後6時15分から、京都大学の吉田南キャンパスにて内田樹さんの講演会があります。「表現の自由」は市民が国家権力を批判する権利としての役割が重要であり、民主主義の根幹です。それがいつの間にか揺らいでいる日本の現状について、改めて知る機会になるかと思います。
次いで、11月2日土曜日13時30分から、龍谷大学大宮キャンパスにおいて「すべての市民に開かれた大学像を求めて」というシンポジウムがあります。ノーベル賞受賞者の梶田先生も登壇されます。大学は現在、非常に狭い範囲の経済政策に寄与する道具にされつつありますが(いわゆる『国立大学文系学部廃止通知』はその典型でしょう)、それでは市民社会に生きるすべての人に開かれた存在ではなくなってしまいます。このような現状に危機感を持つ大学関係者が集まって、本来あるべき大学の姿を議論します。
3つめは、12月8日の13時半から、同志社大学にて開催されるシンポジウム「脱政治化する社会を問う」です。テレビなどのマスメディアから、政治関連の報道が減っていることにお気づきでしょうか?
私自身は前々回の参院選の投票日前の月曜日のNHKの朝のニュース番組が衝撃でした。月曜の朝なので、その週の主要な予定が一覧表で示されるのですが、「日曜の予定」は「参議院選挙投開票」ではなく「東京五輪まであと〇〇日」という表示でした。市民の視野から政治を消されるその裏で何が進んでいるのか、専門家が議論をします。
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西垣順子<大阪市立大学 大学教育研究センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「本当は怖い自民党改憲草案(法律文化社)」「大学評価と青年の発達保障(晃洋書房)」(いずれも共著)など。