自分が何をどのくらい飲んでいるか知ると同時に出ている尿の量もチェックしてみましょう。膀胱はギュッと萎んでおしっこが出て、またどんどん膨らんでいくゴム袋のようなものです。膀胱の容量には個人差があって、概ね300～500ｍｌほど溜められると言われます。ゴム袋みたいな膀胱に半分くらいおしっこが溜まると、そんなに強くはありませんが脊髄の神経を通って大脳に尿意が伝わります。でも大脳はまだ我慢した方が良いと判断して、排尿を抑制する指示を出しておしっこを我慢するのです。そして膀胱が一杯になった時にはトイレに行って出す。これがとても良い排尿で、「良い排尿」とは勢いがあり、そこそこの量が出ることです。それによって雑菌なども洗い流されるので、しっかり出ることが非常に大事です。
もし頻繁にトイレに行く状態になっていれば、何らかの理由で神経の脊髄への伝わり方が悪いのか、大脳にダメージを受けていて感じ方が悪くなっているのか、あるいは膀胱炎のように雑菌が入って膀胱がストレスフルな状態になっているのか。あまりに頻繁なトイレはどこに問題があるのか考える必要があります。但しおしっこはいつでも出るものなので、何かやる前に行っておこうとするのが習慣になると、膀胱があまり溜めにくい、ちっちゃな膨らみにくい膀胱になってしまうこともあります。尿量をチェックすると、自分が1回にどれくらい出しているか、良い排尿をしているか知ることができます。

※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。