ニュージーランドの学校をのぞいてみたら(3)(終)

前回の続きです

Sちゃん、なんとか、昼休みまでに全授業まわろうと早足(笑)裸足で次々走って案内してくれた。ぐるっと回ったあと、再びP先生のいるインターナショナルのクラスに戻った。

そして、P先生に質問。
生徒は全体で560人。すべて異年齢混合クラス編成で、ひとクラスは20〜30人。異年齢集団にするのは、子どもたちの「教えあい」を意図的に作るねらいもひとつ。

学校。空間がたくさんある印象。

一緒に行った友人が質問した。
「日本では不登校の子どもが増えています。ニュージーランドではどうですか?」
P先生は、「それは、プレッシャーがあるのでしょうね。もちろんニュージーランドにも学校に来れない子どもはいます。でも、その場合は地区によって担任とは別の地区担当の先生(?)がいて、家庭を訪ねたりしてそのままにはしておきません。また、各学校にはセラピストが配置されています。きちんとケアしますから、そんなにたくさん不登校の子どもはいません。」との答えだった。
なんだか、子どもに戻ってこの学校に行きたくなった。

のびのび裸足で走り回って勉強したくなった。

ちなみに、ニュージーランドに行くと言ったら友人がニュージーランドの保育指針が素敵だよ。と教えてくれたので調べてみたら。
〈ニュージーランドの就学前教育指針「テファリキ(Te Whariki)」〉
テファリキは、マオリ語で、縦横に編むという意味です。
■4つの原則
◎エンパワメント(Empowerment) 子ども自身が力を付ける
◎ホリスティックデベロップメント(Holistic Development) 全人的成長
◎ファミリーアンドコミュニティー(Family and Community) 家族と地域の中で育つ
◎リレーションシップ(Relationships) さまざまな関係をつなげる学習

だって!
これって、私が自分がソーシャルワークする中で大切にしてることとほぼ同じやん!
と思いました。

ちなみに、2018年に改定された日本の新保育所保育指針は「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として以下の10個を挙げています。ずいぶん違いますね。①健康的な心と体②自立心③協同性④道徳性・規範意識の芽生え⑤社会生活と関わり⑥思考力の芽生え⑦自然との関わり・生命の尊重⑧数量・図形、文字等への関心・感覚⑨言葉による伝え合い⑩豊かな感性と表現

ニュージーランドでもう一度子ども時代を過ごしたいなと思いました。


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About 坂本彩 41 Articles
坂本彩(彩社会福祉士事務所) 大学卒業後、20年間、知的障害のある人とかかわる仕事をする。2017年に、独立型社会福祉士事務所を開業。福祉施設のアドバイザーや研修講師、成年後見人の受任、大学の非常勤講師などをしている。障害のある人もない人も一緒に「学び合いの空間づくり」をしていきたい。社会福祉士、介護福祉士、障害者相談支援専門員、そのほか、漢方養生士指導士、漢方スタイリスト、薬膳アドバイザーの資格も持つ。