『ルーム』などのブリー・ラーソンをヒロインに迎え、1990年代の地球を舞台に描くアクション。驚異的な力を持つ主人公が、失った記憶をめぐる戦いに挑む。『コールド マウンテン』などのジュード・ロウをはじめ、『アベンジャーズ』シリーズなどのサミュエル・L・ジャクソンらが共演。『なんだかおかしな物語』などで組んできたアンナ・ボーデンとライアン・フレックが監督を務める。
《あらすじ》
1995年、ロサンゼルスのビデオショップに、突然正体不明の女性(ブリー・ラーソン)が空から降ってくる。彼女には驚くべきパワーが備わっていたが、全く覚えていない“記憶”がフラッシュバックすることが悩みだった。その記憶にはある秘密が隠されており、それを狙う敵がいた。彼女は後にアベンジャーズを結成するニック・フューリーと共に戦いに身を投じることになる。
なんだか秘めたパワーが尋常ではないオーラがあるヒーローが誕生。本作は新たなリーダーの誕生を思わせる。作家性の強いアートハウス作品で活躍していた演技派B・ラーソンの存在感が圧倒的だし、彼女がS・L・ジャクソン本来の魅力を存分に引き出した。ヒロインが覚醒する後半は勢いを増す。
時代を反映した作風で、「女のくせに」と言い続けられて反骨精神を鍛えたヒロイン、黒人のシングルマザーである親友、さらには主人公のメンターとなる女性科学者(アネット・ベニング)ととにかく女性陣が興味深い存在として描かれている。女性のエンパワーメントの象徴のような作品。
★★85点★★