黒人ピアニストと彼に雇われた白人の用心棒兼運転手が、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を手に人種差別が残るアメリカ南部を巡る人間ドラマ。
『はじまりへの旅』などのヴィゴ・モーテンセンと、『ムーンライト』などのマハーシャラ・アリが共演。『メリーに首ったけ』などのピーター・ファレリーが監督を務めた。
アカデミー賞の前哨戦の一つとされるトロント国際映画祭で、最高賞の観客賞を獲得した。
《あらすじ》
1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒を務めるトニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)は、クラブの改装が終わるまでの間、黒人ピアニストのドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)の運転手として働くことになる。シャーリーは人種差別が根強く残る南部への演奏ツアーを計画していて、二人は黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに旅立つ。出自も性格も違う彼らは衝突を繰り返すが、少しずつ打ち解けていく。
これは、大変興味深い作品です。
第91回アカデミー賞で作品賞、脚本賞、助演男優賞を獲得した文句なしの90点。
この黒人のピアニストは、実在の人物で、天才だったようです。
音楽だけでなく、教養十分で、八か国語も喋れたそうです。
実際のドン・シャーリーの演奏はこれです。
お聞きのように彼のピアノは、クラシックではなく、ジャズでもなくポピュラー・ピアノというべきものです。本当は、ちゃんと音楽院でクラシックを学んでいるのですが、当時、黒人はクラシックを演奏しても、白人には聞いてもらえなかったので、クラシックとジャズの中間のようなスタイルで、弾いていたようです。
また、映画のタイトル「グリーンブック」とは、人種差別の激しい南部を旅するには、その地方地方のしきたりというか、習慣があって、黒人が、泊まれるホテル、食事ができるところ、など旅に必要なガイドブックがこのグリーンブックだったのです。