暫定予算に「奨学金(教育ローン)」を入れてください

この記事を書いている1月17日の時点ではまだ正式には発表されていませんが、高市首相が衆議院を解散するとのことです。国会を開くと同時に解散するというのは、私が小学生だった頃、当時の中曽根首相が衆参同日選挙をする(投票率が上がって自民党が勝てる)ためにやったとき以来のことかと思います。「召集したその日に解散する」というのは、当時小学生の私でも変だと思いました。
国会召集日に解散するのであれば、1月の早い時期に召集することにしておけばよかったのではないかと思いますが、この非常識な選挙日程のために、来年度予算の年度内成立がほぼ無理になっています。


予算が年度内に成立しない場合は、暫定予算が組まれます。今の学生さんはほとんど知らないと思いますが、私が学生だった1990年代には、予算の成立が5月や6月までずれ込むことが時々ありました。

そしてこうなると、国からの奨学金(教育ローン)の支給が4月や5月になされず、6月や7月にずれ込むのです。「予算が決まらないから奨学金が振り込まれないわ~」という会話を当時、学生同士でよくしていました。
それでも当時は、奨学金(教育ローン)を借りながら大学に行く家庭であっても、1-2ヶ月の生活をまわす程度の貯蓄は持っており、「なんとかなった」ところがあったように思います。しかし、今は違います。この30年、日本はかなり貧しくなりました。大学生の生活もギリギリです。
親に頼れない若者の支援をしているDP(Dream & Possibility)のサイトには、DPの食料支援を受けて頑張る学生の声が掲載されています。

昨年の夏前には、学生からの相談の急増を受けての寄付募集も行われていて、こちらに学生たちの状況が書かれています。

物価が上がっている一方で、奨学金(教育ローン)の額が増えないため生活が苦しい。それに加えて、実習が始まるとアルバイトができなくなるため、食べるものすらなくなってしまう、そんな実情の中で暮らしている学生がいます。
今回組まれるであろう暫定予算の内容はこれから検討されるのだと思います。過去の暫定予算に奨学金(教育ローン)は入っていませんでしたが、今回は絶対に入れてください。
本当は増額要求をしたいのですが、まずは最低限のお願いです!

※「奨学金(教育ローン)」という表現を使っているのは、奨学金は給付型であるのが世界常識なのですが、日本では貸与型が多いためです。貸与型は「教育ローン」であって、本来は「奨学金」とは呼べません。
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西垣順子<大阪公立大学 高等教育研究開発センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にあり、いずれ帰る日のための準備を模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。「地域がつくる子どもの居場所(サードプレイス):不登校になっても孤立しないまちづくり」(晃洋書房)、「学生と考えたい『青年の発達保障』と大学評価」(晃洋書房)(いずれも共編著)など。


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