ここ暫く農業と自然というテーマでこころ野便りを書いてきた。しかし、農業とは、無為自然を土台にした上に人手の加わった二次的な自然である。時代が進むにつれ人の欲求は高次な農業を生み出した。AIを駆使した野菜工場は、もはや人手すら必要としない。高次になればなるほど土台となる自然が小さくなり食べ物が自然の産物である事すら忘れられてしまう。わたしも有機農業を営んでいるとはいえ農作業をしている中でもっと楽して儲かる方法はないものかと考えてしまう。そんなもの有るはずがないと思いながらも日々葛藤の繰り返しだ。そんな中、地元のお寺のお坊さんたちと秋に山に登ることがここ何年か続いている。1700mの山中にある宿坊で食べるごはんとみそ汁・ひじきと切り干し大根の煮つけが最高においしい。時々は、町からも畑からもはなれて無為自然の中で過ごしたい。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。