3月末と4月最初の記事でも取り上げた日本学術会議法案が、5月9日金曜日に衆議院内閣委員会で採決されました。この記事が公開される頃には本会議を通過して、参議院に送られているかもしれません。
この法案が成立してしまうと何が起きるのかについて、こちらの動画で東京大学の隠岐さやかさんが簡潔に説明しています。
4月14日に日本学術会議の総会があり、法案の抜本的な修正を求める決議を可決しています。その決議に対して、多くの学協会が賛同を表明しています。大学フォーラムのサイトに一覧が掲載されていますが、未掲載のものもあるので、実際はもっと数が多いのです。
日本学術会議は法案が提出される前に何度も、どのような法案を提出するのかを日本学術会議に対して示すように求めてきました。しかし政府はそれを無視して法案を国会に提出しました。それに対して日本学術会議は修正を求めたのですが、修正はされていません。つまり政府の側が一方的に押し切っている格好です。
なお、当初は法案に反対していなかった国民民主党が反対に回ったのは、少し前向きな動きかとは思います。
これまでにカナリア倶楽部の記事に書いたことに加えて、この後に予想される政府から学術会議への人事介入や更なる法律変更の見通しなどについて説明されている番組がありました。
アメリカではトランプ政権が、学問に対して大変な介入をしています。多様性や人権に関する介入が取り上げられることが多いように思いますが、それだけではありません。気候変動に関する研究など理系分野にも介入は及んでいます。時の政権にとって都合のよい学問だけが生きていける世界というのは、恐ろしいものだと思います。そういう道を開きうる法律の変更はあってはならないことではないでしょうか。
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