前回はベッド用の読書スタンドを紹介しましたが、ベッドに座って読む時は食事用のテーブルを使っても良いでしょう。但し、病院等でよく見るかまぼこ板の様なテーブルをベッド柵のサイドレールに嵌めるタイプのものは、おススメしません。あれは自分で足を下ろそうと思っても、テーブルをはずさないと足を下すことが出来ません。ベッドの上にいる人をその位置に固定してしまうことになります。また、最近はとても良いベッドが色々あるとは言え、いい加減なベッドで中途半端に上半身を起こすと体がずってしまいます。
座位の姿勢で安定するのは、「端座位」といって、ベッドから足を下ろして座り、座った時に前にテーブルがある状態の時です。前に置くベッドテーブルは「コの字型」が便利です。コの字型はベッドに差し込むことも出来ますし、ベッドと平行して置くことも出来ます。そのため寝ているときはサイドテーブルとしてベッドの横にも置けますし、ベッド上で食事をするときにはベッドの背を上げて食べやすいところにこのテーブルを移動できます。ちょっと上半身を起こしてお茶を飲みたい時などにはテーブルをそばに寄せればいいです。足を下ろして端座位になる時にはベッドと平行にして自分の前に置くことで、身体を少し支えてくれます。このように好きな様に使うことが出来ます。よく病院等ではオーバーテーブルで「アーチ型」といって、両側に脚があるものがあります。あれもあれで良いのですが、取り回しが大変なので、横に持って来ようと思っても、動かすのが大変です。コの字型はコンパクトに動かせてこの点でも便利です。
※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄や介護に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。