厳しい残暑だったので秋野菜の種蒔きを遅らせた。有機農業を始めた当初から比べると2週間遅くなっている。10月になってからも非常に気温が高かったが比較的順調に野菜は育ったので11月初めからの収穫を楽しみにしていた。しかし、収穫直前になってから害虫の食害が目立ち始めた。11月に入れば虫の被害も少なくなると言う経験則が破られた。おまけに時間雨量50mmと言う大雨まで降った。湿気に弱いホウレン草の葉が黄色く変色し始めた。根が傷んでしまったようだ。私は、来年60歳になる。息子に自分の経験を伝えている最中その経験則が通用しなくなって来ている。温暖化は、新たな段階へと進んでしまったのか。先日、西田敏行主演の映画「植村直己物語」がテレビで放映されていた。若かった自分が、有機農業を志し宗谷岬から京都まで歩く旅の切掛けとなった人だ。当時印象深かったセリフがその時のトキメキと同時に脳裏に蘇った。しかし、残念な思いも過る。温暖化が進んだ今、当時と同じような極地探検が出来るのだろうかと。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。