辺りも稲刈りを終えた田んぼが増えて来た。氏神様の秋祭りが終わると田中農園では葉物野菜の収穫が近づく。葉物野菜など年中スーパーマーケットの棚に並んでいるが、慣行農法とは違い田中農園で種を蒔くには、野菜の生育適温になる季節を待つ。様々な行事は、カレンダー通りに進むが種蒔きの適期は、近年めっきり遅くなった。３０年前８０歳のおじいさんが、「昔は、農薬なしでも出来たのにこの頃は、難しいねぇ」と言っていた。最近は、数年単位でその難しさが加速しているように思う。昨日は、寒冷前線の通過とともに激しく雹が、降った。降った範囲が比較的狭かったため収穫間近の野菜に被害はなく胸を撫で下ろした。夕食は、少し若い菜っ葉で鍋をした。若い菜っ葉を湯に潜らせると一層鮮やかな緑を放つ。待ち望んだ緑の野菜は、体の中に浸み込んでゆく。待つことが、ご馳走になり環境への負荷を軽減し末永い安定をもたらすのではないかと思った。

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。