畑で何か問題が起きた時、今回は、廃菌床に解決の糸口を求めたが結局人の便利さの為に細かく切り分けてしまった自然を紡ぐ為の思考である様に思う。先日友人に誘われて森の医者と言われる庭師のドキュメンタリー映画を見た。弱った木を見てその地下水脈の下流側に構築されたコンクリートの壁を壊す。その壁の基礎が地下の水脈を断ち地下水が淀んでしまい根腐れを起こしていると言う見立てだった。壊した壁の下に暗渠を入れ水の流れを取り戻す事で木もまた元気を取り戻す。小さな沢に築かれた砂防ダムの所為で行き場を失った水が土中に広がり地面が柔らかくなり、より大きな土石流を引き起こすことも有ると言う。畑で発生した野菜の病気を治そうと廃菌床を畑に鋤き込んだことは、単なる対処療法に過ぎないかもしれないが、自然との繋がりを大きな視点で捉えてみる事を小さなキノコこのベッドから教わったような気がする。本来キノコは、広大な森の地下を菌糸のネットワークで覆い尽くしているらしい。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。