家族を認知症対応型のデイサービスに行かせたいのですが、本人にどう言えば行ってくれますか?
デイサービスの中には認知症の人を対象に少人数の定員で手厚い介護が受けられる「認知症対応型通所介護(認知症デイサービス)」があります。本人には「認知症デイに行って」と言えないので、友人は若年性認知症の家族に「ボランティアで来てほしいと言っている」と言って行かせていました。実際はボランティアではなく、利用者なのですが、「デイサービス」という言葉から受ける偏見の様なイメージを持つ人もあります。でも何らかの形で実際に行ってみること、デイサービスに出会うことが、とても大事です。ですから嫌がる人に無理に行かせるのでなく、「お手伝いに行ってほしい」など、ご本人が動いてくれる様な言葉で誘ってみると良いでしょう。私が見学に行った大阪の認知症デイには調理をする人など色んな人がいましたが、みんな利用者なんです。でも、ご本人たちは働きに来ているつもりです。職員さんたちも対応の仕方を心得ておられるので、ボランティアとして接してくれます。それで良いんじゃないでしょうか。
認知症の人でなくても、「デイ」という言葉への拒否感があって、そもそもどこのデイに行くかの選択ではなく、どのデイにも行くことさえしてくれずに困っている家族もあると思います。その人の性格に合わせて、何らかの方法で行ってもらえたら、ご本人にとっても家族にとってもお互いとても良いと思います。強要するのでなく、その人が行ってみようと思う様な誘い方を工夫してみてください。
※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄や介護に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。