こころ野便り~農業について思う。これから その10

何事も中庸が肝心だ。と言ってしまえば堅苦しく聞こえるが、それに尽きると思う。化学肥料を使わず、農薬も使わずに収穫に至った野菜は、収穫に至るまでの人為的なことも含めて様々な事象が、程よかったからだと思う。様々な事象というのは、この世のあらゆることでその組み合わせは無限に近い複雑系だと理解している。私一人がどうこうしようとしたってどうにかなるものではない。しかし、様々な事象の中には、「化学肥料や農薬に頼らず野菜が育てたい」という人の意志も含まれているし、その為の努力も含まれている。中庸を見付けるのは難しい。両端が解らないと真ん中は、求め難い。地球の周りを回る月は、地球の中心を中心に回っていると思っていた。しかし、地球と月の重力の中心は、もう少し月寄りにあり、その重力の中心を中心にお互いが回りあっている。太陽の存在も考え合わせるといったいその重力の中心は、どこのあるのだろう。様々な事象の中心、中庸とは、なかなか掴み所のないものである。辞書に中庸とは、「ほどよいこと」とあった。「ほどよさ」は、「ここちよさ」に通じるのではないか。人の持つピュアな感覚は、一足飛びに中庸を探り当てるかもしれない。昔から「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言う。最近は、「便利過ぎて不便」にさえ思う。程よく、心地よい暮らしの為に人の純粋な感覚に期待したい。

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら


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