こころ野便り~農業について思う。チャレンジ編 その9

田中農園で使う肥料を自家製の発酵肥料に全面的に切り替えようと思ったきっかけの一つが狂牛病の発生だった。狂牛病の原因物質の肥料への混入の恐れもさることながら、飽食の時代の家畜の生き物としての飼われ方に疑問が生じた。狂牛病の発生が肉食が進み過ぎることの様々な問題を顕にしたからだ。昔、養豚業を営む友人の家には家畜の供養塔があり、おばあさんが毎日線香を供えられていた。養豚業を廃業されてからも線香が供えられていたことを思い出す。狂牛病は、大量に消費される経済動物に供養と言う言葉を無用にしてしまったことへの報いの様に感じた。本格的に発酵肥料を作り始めた当初は、鶏糞と米ぬかを主原料にしていたが鶏糞をオカラに替え、ゴマ油カスを加え植物由来の原料だけにした。オカラは、毎日豆腐屋さんから引き取る。米ぬかは、コイン精米機から出るものを毎日集めに廻る。有機栽培のゴマを搾った油かすは、油分で湿り香ばしいか香りを放っている。オカラは、腐りやすいので速やかにこれらを混ぜ合わせ積み上げ発酵熟成させる。種菌は使用しないが、発酵は自然に始まり60℃位の温度に発熱する。空気を入れ発酵を均一にする為に1週間隔で切り返し、3か月ほどで完成する。分かってしまえばそう難しいことではないが、当初いろいろと失敗も有った。

京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら


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