こんなにたくさんの雨が、どこから降ってくるのだろう？子どもでなくて、こんな疑問が湧くほどに続く大雨には、恐怖を感じる今日この頃です。いざというときの備えは、万全でしょうか？

今回は、私が社会福祉士としてその専門性を活かせると思いかかわっている、防災と福祉の連携支援の活動から、みなさんにも備えを進めていただきたい防災対応力の向上について書きたいと思います。

私は兵庫県社会福祉士会に所属をしていますが、そこでは4年前から防災と福祉の連携促進の事業に取り組んでいます。私も今年で4年目の活動となり、今年は「防災のための当事者力アセスメント」の技術を福祉専門職にお伝えしています。

過去の大きな被害をもたらした災害において、その犠牲者となられた方の多くは、高齢者や障がい者等、自力での避難が難しかった人たちです。以前の災害対策基本法の改正では、各市町村は避難に支援が必要な人の名簿作りをすることになっていて、多くの市町村でそれが出来つつありましたが、しかし、犠牲者が高齢者と障害者が多いという現実は変わりませんでした。そこで、もう一歩具体的に、「個別避難計画」の策定が、令和3年5月の災害対策基本法の改正で、各市町村に努力義務とされるに至りました。計画を立てて、訓練をし、いざという時に次々と動けるように、個別避難計画の作成が必要です。

とはいえ、避難に対して備える事、計画を立てておくことは、災害時に避難が遅れやすい人だけに必要なものではありません。みんなに必要なものです。防災対応は、みんなに必要なものです。私は、それを、一人でも多くの人に伝えたいと思います。そして、その中の一人でも多くの人が、一つでも多く、備えをしてくださると信じています。それを続けたら、一年後、数年後には、きっと多くの人が、備えをしっかりできている事と思います。

でも、いつ何が起こるかわからないので、今から少しずつでも備えてもらいたいと思います。

兵庫県社会福祉士会では、どなたにでも使っていただける、防災（装備・準備のチェックリスト、自分自身や生活環境の基本情報シート、命を守るために順を追って行動するマイ・タイムラインの3点）の備えを確認できる、『防災対応力向上シート』をWebサイトで公開しています。これは、今年の福祉専門職向けの研修では、ご本人さんのアセスメントのために、ケアマネジャーや相談支援専門員に説明をしているツールです。

「備えておかないといけないなぁ」と思われた方は、是非、参考にしてみてください。
兵庫県社会福祉士会Web「防災対応力向上シート」：
http://www.hacsw.or.jp/wp-content/uploads/803f9499fac8b3148fde16cbe0fb3b12.pdf

安全に避難し、身を守り、安心を確保することで、周りの人を助ける心の余裕と時間の余裕ができるでしょう。災害発生時はまずは、我が身を守ること。それをしっかりしようとすると、周囲の人へもそれが早い対応の必要性として伝わるでしょう。
私たちの日頃の取り組みが、いざという時に役立ちます。

いざという時は来ない方がいいけれど・・・。猛暑と豪雨と巨大台風に見舞われることが度重なると、やはり、来ないようにと祈りながらも、まずは備えておきましょう。