介護リフトはメーカーによって様々なものがあるので、使い勝手の良いものを選ぶことが大切ですが、どこにどう設置するのが良いか、何の目的で何をどう楽にしたいからリフトを使うのかを、事前にケアマネさん等ときちんと話しあっておきましょう。業者さんではそうしたそれぞれの希望がわからないことがあります。
車椅子でトイレに行けるようにしたいけれど、ベッドから車いすの移乗が大変というのであれば、ベッドサイドのどこに設置すると楽に行けるようになるか。玄関前に階段があって出入りが大変なら、数段の階段を上げ下ろし出来るような場所に安定させて設置可能か。京都は玄関前に階段がある家をよく見かけます。玄関に台座が上下する昇降機を設置する方法もありますが、この昇降機では台座が上下しても前後の移動が難しい為、どこか別の場所に設置する場合があります。リフトであれば、もし階段の途中に安定して支柱が建てられる場所があって、アームが階段上と階段下に届くのであれば、上げ下ろしが可能ですし、リフトの中には車椅子ごと吊り上げられるものもあります。リフトの設置が無理でも外でも使える階段昇降機もあります。解決方法は色々あるので、「うちは無理」と思わず、詳しい人に相談すると良いでしょう。「道具はいらない、人手が優しい」と思っていると長い階段を重たい目をして運んだり、雨の日に危ないことをしがちで、お互い続きません。困っていることを相談すれば、ドラえもんみたいに解決する道具を出してくれるはずです。

※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄や介護に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。