ラジオで小倉美恵子著「オオカミの護符」が紹介されていた。面白そうだったので早速買った。読み始めてまえがきから共感することばかりだった。まず同世代の農家出身だという事。高度成長期農業者人口がどんどん減る中、子供ながらに感じた農家の哀れ。父から聞かされた話と同じことが文章に綴られている。高度成長の申し子としてその恩恵にあずかってきた私が、「何か大切なものを置き忘れて来たような気がする・・・」と代々続いてきた暮らしを振り返りそう書かれている。大都会の地層の中に埋没してしまった農村の暮らしを発掘し、その源流を辿るお話に興味は尽きない。振り返って私は、就農した時名刺を作った。肩書を「百姓」とし「田中真弥」と名前を入れた。「哀れな百姓」ではなく「誇りある百姓」に成ると言う22歳の決意を思い出した。
京滋有機農業研究会 会長の田中真弥さんが無減農薬野菜などの宅配サービスの会員向けに連載しているコラム「こころ野便り」を当サイトにも掲載させて頂いています。前回はこちら。