『それでもボクはやってない』などの周防正行監督が、映画が「活動写真」と呼ばれていた時代に独自のしゃべりで観客を沸かせた「活動弁士」を主人公に据えた青春活劇。約100年前を舞台に、活動弁士を目指す青年と彼を取り巻く人々を描く。
主演を『ニワトリ★スター』などの成田凌、ヒロインを『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』などの黒島結菜が務める。
共演には永瀬正敏、高良健吾、井上真央、竹中直人、小日向文世、竹野内豊らが名を連ねる。
《あらすじ》
偽の活動弁士として泥棒一味の片棒を担ぐ生活にウンザリしていた染谷俊太郎(成田凌)は一味から逃亡し、とある町の映画館にたどり着く。
そこで働くことになった染谷は、今度こそ本当の活動弁士になることができるとワクワクするが、そこは館主夫妻(竹中直人、渡辺えり)をはじめ、スターを気取る弁士の茂木貴之(高良健吾)や酒好き弁士の山岡秋聲(永瀬正敏)などくせ者ばかりだった。
晩年の徳川夢声のラジオ番組を担当したことがありましたが・・・。、
おテルが子供の頃には、まだあったかも知れない活動写真。どうしてその頃こ見なかったんだろう?残念至極!
スクリーンの横で、生バンドの音楽にのせて、解説やストーリーから、セリフまでを巧みにしゃべるのが、いわゆるカツベン。スクリーンに登場するキャラクターが全く理解できない言語を話していても、なんとなく意味がわかる・・・それが映像のパワーだと思いますが、活動弁士の口上でさらに面白くなったのだな、と無声映画の時代に思いを馳せてしまった。
映画を愛する青年の成長と興行黎明期ならではのドラマを重ねる構成もいい。またB・キートン風のドタバタやギャグや35mmフィルムで撮ったモノクロ無声映画など、全編を通して周防監督の映画への愛情とリスペクトが伝わってくる。弁士たちの個性あふれる声色も魅力的だし、特に成田凌のカツベンぶりは気合い十分!
実は、数日前に天満天神繁盛亭で、この映画のカツベンを教えた芸人・坂本頼光のカツベンを見聞きしたすぐ後だったので、すぐに見に行ったのです。活動写真への思い入れをプラスして、90点!