先の衆議院選挙の終盤、「#ママ、戦争止めてくるわ」という言葉が広まっていました。この言葉については誤解もあるようですので、まずは事実を押さえておきたいと思います。もともとは、まだ小さいお子さんを育てているエッセイストの方(特定の政党とは全く関わりのない方)が、X(旧twitter)でつぶやいたものでした。その経緯がご本人によるNoteおよびロイターの記事に書かれています。
私はこの言葉の広がりの一番素敵なところは、「パパも」「子どもいないけど私も」「独身男子も」と、少なからぬ老若男女が共感を寄せたことだったと思います。私も「伯母ちゃんも止めに行きます(なぜかお姉ちゃんと呼ばれているけど、自称するのは厚かましいな(笑)」と自分のSNSに投稿しました(3歳になったばかりの甥っ子は、ママが「お義姉さん」と呼ぶのに倣っているようです)。
他方で、この言葉が広がったことと、中道改革連合が使うようになったことで、妙な批判も目にするようになりました。いくつか挙げておきます。まず、「女性や母親に特定のステレオタイプを押し付けている」という批判は、老若男女が共感を寄せていたという事実に反しています。
また、「高市さんは戦争をしようなんて言っていない」という批判もありました。私もそうですが、今回の言葉に共感した人たちのほとんどは、「高市さんが戦争をしようとしている」とは思っていないでしょう。そうではなく、高市さんや彼女の側近の人たちの言動が、彼女たち自身も予期せぬ形で戦争や「戦争の影」を招き寄せてしまう可能性の高さと、そのことに対する自覚のなさに危機意識をもっているのです。反省すべきはそのような言動を振りまいている高市氏自身であり、戦争を恐れる一般市民ではありません。

中道改革連合の惨敗の責任をこの言葉に押し付ける論調もあるようです。データがないので何とも言えませんが、あまり関係ないのでは…?という気もします。とはいえ、この言葉を使うのであれば、(選挙時の代表であった)野田さんと斎藤さんには、(論評のようにこの言葉を紹介するのではなく)「爺ちゃんも、戦争を止めに行きます」と言ってほしかったです。中道改革連合の候補者の演説を全部聞いているわけでもないので、私の知らないところで言っていたかもしれません。ただ、私が調べた範囲では、女性候補者の写真(イラスト?)とともに「ママ、戦争止めて見せるわ」という画像はありましたが、野田さん・斎藤さんをはじめとする男性候補者が「爺ちゃんも、おっちゃんも、一緒に止めに行くよ!」と言っているものはありませんでした。なんだか残念だな…と思います。
なお、恐怖心をあおるのではなく、冷静に状況に対処するべきという主張もありますが、「爺ちゃんも戦争を止めに行く」と述べることと、冷静に状況に対処することは十分に両立するものです。それに、勇ましい言葉を述べている人たちも、恐怖心と闘争心を煽っているわけですよね。
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