はいせつよもやま話~玄関前の急なスロープ

玄関の前に急なスロープがある家を見かけますが、スロープは急勾配でもあった方が良いですか?

ものすごく微妙ですね。玄関前に十分な勾配を設けるスペースがない為に急なスロープになるのだと思いますが、とても危ないです。車椅子になったら自分で上がれないし、介護する人もうまく押し上げられません。スロープは原則として緩やかな8分の1勾配で、10センチの高さに対して底面が80センチの長さの三角形の斜面になる長さが必要です。けれども実際にはそれだけの長さが取れない場合が殆どです。ですから、とても急な、殆ど名前だけのスロープになってしまい、安全に上がれないものが少なくないのが現状です。
急なスロープでも元気なうちはさほど気にならないでしょう。その人が将来どの様になっていくかによるので微妙なのですが、あまり急なら寧ろ階段の方が上がり降りが楽かも知れません。すり足で階段の様に足を上げて歩きにくい人だったら、仕方がないので急でもスロープがあった方が良い場合もあるでしょうし、シルバーカー等を使いたい時には階段よりは急なスロープの方が楽なこともあります。その人その人の身体機能によるので、一概にどちらが良いとは言えません。ですから、十分な勾配がつけられないのであれば、最初は階段で良いのではないかと思います。そして、いずれ階段が使いづらくなった時にその人の身体機能に合わせてどうするか考えれば良いでしょう。例えば階段にリフトの支柱を設置するという方法もあります。何より介護が必要になった方の状態や家の様子によって判断する必要がありますから、そのときには福祉用具の専門家(福祉用具プランナー、福祉用具専門相談員)に相談しましょう。

※「高齢生活研究所」所長 浜田きよ子さんの排泄や福祉用具にまつわる話を、毎月紹介しています。前回はこちら。排泄や介護に関する相談は排泄用具の情報館「むつき庵」まで。


Warning: Use of undefined constant php - assumed 'php' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/canaria-club/www/wp-content/themes/mh-magazine-lite/content-single.php on line 21

Warning: Use of undefined constant php - assumed 'php' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/canaria-club/www/wp-content/themes/mh-magazine-lite/content-single.php on line 30