日本学術会議法が閣議決定(2)

日本学術会議法が閣議決定、衆議院に提出されたことを前回の記事で書きました。学術会議が法人化することで自立性が高まるという説明を政府はしていますが、法案の内容は正反対です。現在の日本学術会議には、政府の中にあって政府から独立した存在としての地位があります。政府の中にあるのに自立性が持てるのかという疑問を聞くことがありますが、そういう組織は他にも多くあります(例えば、公正取引委員会など)。
これから審議される日本学術会議法には、日本学術会議の運営等に意見を述べることができて、日本学術会議はその意見を反映した運営をしなければならないとされる各種委員会が複数あります。それらの委員会のメンバーは日本学術会議会員以外から構成され、内閣総理大臣によって任命されます。仕事の監視のイラスト(困っている) | かわいいフリー素材集 いらすとや
まず、監事です。会員以外から内閣総理大臣が任命します。相当に幅広い監督権限があり、内閣総理大臣への報告も行います。
次に、会員候補者選定助言委員会があります。日本学術会議会員が構成する会員候補者選定委員会に対して「助言」を行う委員会ですが、学術という高い専門性が必要な領域の人事に、会員でない人(内閣総理大臣に任命される人)が何を「助言」すると言うのかと思います。
さらに、運営助言委員会もあります。文字通り、日本学術会議の運営に対して「助言」をする委員会です。そして極めつけは、前回の記事で書いた評価委員会です。
つまり、会員の選定から運営、中期計画の策定と実施状況の評価まで、会員ではない人々で構成される各種委員会や監事によって雁字搦めにされることになります。
この上に、政府は必要な経費を措置するについての責任を放棄しても良いことになるのですから、酷いとしか言いようがありません。このようなアカデミーの形は現在のロシアなどの専制国家を別にすれば、世界に例がありません。
学協会の中には反対声明を出しているところもあります。現在私は大学評価学会という学会の共同代表をしていますが、そちらでも声明を出しました。ただ、「これは酷い」というところが多くありすぎて、全部指摘すると長大な声明文になってしまい、読んでくださる人が少なくなりそうです。大学評価学会なので、評価関連の問題に絞り込んだ声明文としました。


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西垣順子<大阪公立大学 高等教育研究開発センター>
滋賀県蒲生郡日野町生まれ、京都で学生時代を過ごす。今は大阪で暮らしているが自宅は日野にある。いずれはそこで「(寺じゃないけど)てらこや」をやろうと模索中。老若男女、多様な背景をもつ人たちが、互いに互いのことを知っていきながら笑ったり泣いたり、時には怒ったりして、いろんなことを一緒に学びたいと思っている。著書に「学生と考えたい『青年の発達保障』と大学評価(晃洋書房)」(編著)など。


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