新生活に向けた、日ごろへの備え

ここのところ寒いのですが、空の様子は春らしくなってきました。春分もすぎて、これからはどんどん春らしく、おそらくあっという間に暑くなるのでしょう。

月に2回、カナリア倶楽部に載せていただくエッセイでは、防災や災害への備えについて書くことが多いのですが、ふと我に返るとわが身におこる災いは、何も自然によってもたらされるものだけではありません。

たとえば、朝起きて、昨夜にセットした炊飯器を見てみると、いつもと違いひんやりとしたたたずまいで「炊飯スイッチ押し忘れていた…」という時は、ちょっとした災いです。ちなみに私は、炊飯スイッチを押し忘れたことはありませんが、米に水を加えるのを忘れていて、フタを開けたら米粒がちょっと白くなり、そのままの姿であったことがあり、朝から悲鳴を上げたことならあります。

もっとも、そんな後から笑える話だと良いのですが、人生におこる個人的なトラブルは、時に健康を損なったり、財産を損なうことがあり、回復に時間を要するものもあります。突然のトラブルを完全に防げると良いのですが、防ぎきるのは難しいかもしれません。やはり、災いが起こる前に、出来るだけの備えが必要です。

最近では、災害に備える呼びかけがテレビやネット上で頻繁にみられます。特にこの時期は、阪神淡路大震災や東日本大震災など大きな災害が起こった時期でもあるので、教訓として身の回りを振り返るのをしやすい時期です。しかし、災害時にスムーズに身を守るためには、やはり日ごろからの備えと、日ごろからの日ごろに備えることが大切です。

日常の「どうしよう!?」の例と、その事前の対応を考えてみましょう。

  • 炊飯スイッチの押し忘れは、もし、非常食が幾らか備蓄されていれば、それを使うことができるでしょう。
  • 急な体調不良に備えて、近隣のクリニックを確認しておきましょう。水曜日や木曜日は、休診のところも多いです。診察スケジュールも見ておきましょう。
  • 保険証をマイナに連携していると、お薬手帳を使っていない方もいるかもしれませんが、使っているお薬を知る必要があるときは、やはりお薬手帳が便利です。
  • クレジットカードの紛失や盗難に備えて、持っているクレジットカード番号や発行元は控えておきましょう。
  • ネットで買い物をしたら、実物はネットで見たものとは全然違うものでだまされた!という場合、消費生活センターに相談してみると良いでしょう。消費生活相談センターとはどんなところなのか、事前に軽くみておきましょう。(全国の消費生活センター等_国民生活センター  https://www.kokusen.go.jp/map/)
  • 自動車を所有されている方は、自分の車のナンバーを覚えていますか?また、自動車保険がどこの保険会社のものか、覚えていますか?もしもの時に備えて、確認しておきましょう。
  • スマホの電源が減ってしまい慌てることがありますが、できればバッテリーを持ち歩くとともに、家族や大切な人の携帯番号は、手帳に書いたりカードに書いて財布に入れておくなどして、スマホが使えなくなっても番号がわかるようにしておきましょう。公衆電話のために10円玉も持っておくとより安心です。

いくら自分が気を付けていても、何かに巻き込まれることは有ります。自然災害は起こらなくても、突然町中が停電することもあります。自分の家だけ停電になることもあるかもしれません。スマホがないと生活がたちまち困る・・・という人も多いでしょう。スマホを紛失したりすると、何からどうすればよいでしょうか。「もしも・・・?」を普段から考えて、頭の中でもしものときのリハーサルをしておくと、何かが起こったときに少しは冷静に対応できると思います。

来月から新年度。新しい生活が始まる人も多いと思います。新居のハザードマップを調べることはもちろん大切なことですが、同時に、日ごろの生活で自分の身におこる困難、試練、災難に関しても、事前に備えておきましょう。

先日、友人に誘われていちご狩りに行きました。地元はちょっとしたいちごの名産地です。10年振りぐらい、人生2度目ののいちご狩り。ハウスには、腰の高さぐらいのシートが張られた棚が並び、そこにいちごが実っています。土に触れていないので、洗わなくてもそのまま食べられる、ということで、採ったその場で大きないちごを力いっぱい食べました。贅沢なことです。最近は、いちごの種類も増えてきました。ここでも、数種類のいちごが楽しめましたが、感じたのは「完熟の大きないちごは、どれでもおいしい」ということです。昔、祖母が畑にたくさんいちごを植えてくれて、毎年春は飽きるほど食べて、残りでジャムを作って・・・当たり前におもっていたけれど、贅沢な経験だったなぁと思い出したいちご狩りでした。

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兵庫県在住。「福祉×ICTで、毎日を安心安全に、心豊かに。あなたに寄り添う相談援助」をモットーに『森のすず社会福祉士事務所』開業。成年後見等による高齢者・障害者支援、認知症の方と家族の支援ならびに防災と福祉の地域啓発活動、スクールソーシャルワーカー、各種研修講師などの活動に取り組んでいる。2022年から同志社大学社会学研究科の後期課程博士課程院生、休学しながら在学中。大阪公立大学UReC特別研究員として防災関連研究にも従事。カレーと豆好き。犬大好き。社会福祉士、公認心理師、防災士。介護支援専門員。第1種大型自動車免許、2級FP技能士、第2級アマチュア無線技士。